経営企画が大変でつらい3つの理由【現役視点で解説】

筆者は大手電気機器メーカーで経営企画の管理職を務めています。

長年、経営企画の仕事をしていると「この仕事は精神的につらいな。。」と思うこともあります。

この記事では、これから経営企画になる方への心の準備として「経営企画の仕事がつらい理由」についてお伝えしたいと思います。

目次

経営企画の仕事が大変でつらい3つの理由

筆者の経験から、どのような理由で経営企画の仕事が大変・つらいと感じるか解説します。

経営企画の仕事がつらい理由
  1. 業績が悪い時のプレッシャーが大きい(ダントツ1位)
  2. 不規則な仕事のリズム・長時間勤務
  3. 退屈な業務も多い

1. 業績が悪い時のプレッシャーが大きい(ダントツ1位)

経営企画は経営層に近い立場で仕事をするがゆえに、会社の業績が悪い時のプレッシャーは非常にしんどいものがあります。経営数字をまとめたり経営課題を報告することも経営企画の仕事ですが、日々、対面することになる社長・経営層のピリピリ感が直に伝わって来ます。

大企業の経営層ともなると仕事能力に加えて人格も非常に優れた方が多いと筆者は感じています。しかし、普段パワハラな発言など全くしない社長・経営層でも業績不振の時は別で、非常に辛辣なコメントと厳しい経営対策を経営企画へ要求されます

ただ、それは「このままでは会社が潰れてしまう」、「会社全体でのリストラを余儀なくされる」という危機意識からくるコメントですので、たとえ厳しい要求であっても歯を食いしばってやるしかありません。自分のボーナスや給料が下がるだけならともかく(それも困りますが。。)、多くの従業員の雇用維持にも関わる状況となると逃げ出すことのできないプレッシャーを感じずにはいられなくなります

逆に、業績の良い時は何の問題もありません。社長・経営層もご機嫌で仕事もしやすいですし、儲かり過ぎたお金を使って「次は何に事業投資しようか」、「今のうちに老朽化設備の刷新やオートメーション化を進めよう」といった前向きな仕事の検討ができます。

2. 不規則な仕事のリズム・長時間勤務

会社経営では予期しない突発的な事件・トラブルが日々起きます。コロナによる稼働停止やサプライチェーンの乱れ、原材料高騰など社会全体が影響を受けるような経営課題から、品質問題や不正事件など各社固有の経営課題など様々ですが、会社の規模が大きいほど日々どこかで何かしらの経営問題が起きています。

そうした経営課題の情報収集や解決に向けて関連部署を取りまとめたりするのも経営企画の仕事であることが多いです。そしてトラブルへの対応は突発的かつ迅速に対応が必要なことが多いので、自分のペースで仕事ができず急に仕事が忙しくなります

筆者の場合は常に長時間勤務ということはありませんが、繁忙期とトラブルが重なると連日長時間勤務にこともよくあります。

3. 退屈な業務も多い

「中期経営計画の策定」「M&A案件の推進」などが経営企画の仕事としてあげられることも多く、これらは一見華やかですが年中そんな仕事ばかりがあるわけではありません。年中計画を作ることはナンセンスですし、M&Aも活発になってきたとはいえ、投資会社や銀行・商社を除いた事業会社であれば2−3年に1件の中型案件(10億円−100億円規模)があれば多い方ではないでしょうか。(10億円未満の小規模な出資・買収であれば、企業戦略によっては多用している企業もあるとは思います)

そうした仕事を除けば、むしろ地味な仕事の方が多いかもしれません。経営管理、経営課題への対応、そのための部署間の調整など、裏方に回る仕事も数多くあります。主体的に動ける前線業務と比べると退屈な業務も多い言えるでしょう。

経営企画の仕事が楽しい理由3つ

経営企画の「つらいこと」をお伝えしましたが、もちろん「楽しいこと」も数多くあります。

経営企画の仕事が楽しい理由
  1. 経営のノウハウが学べる
  2. 会社そのものを動かせる感覚
  3. 確実なキャリアアップが見込める

1. 経営のノウハウが学べる

経営企画として仕事をする上で一番の特権ではないでしょうか。経営数値を取り扱うだけでなく、社長・経営層と間近に仕事することで、「事業を伸ばすために経営層は普段からこんなことを考えているのか」、「こうしたケースはこういった判断基準で意思決定するのか」といった経験豊富な先輩から多くの経営ノウハウを学ぶことができます

会社のトップになる経営層は、これまでの会社人生で酸いも甘いも経験しており、そうした経験が会社の意思決定を迅速かつ間違った方向に行かないようにしていることを間近に感じることができます。書籍で学べる経営知識には限界があります。やはり実戦に勝る経験はなく、経営層のこれまでの実践経験を追体験することで得られる経営ノウハウは非常に価値があると筆者は感じています。

2. 会社そのものを動かせる感覚

経営層へ意見具申するのも経営企画の大きな役割です。経営課題への対策を提案し、それが経営層に意思決定されて会社組織として実行されていくことになると、あたかも自身が会社を動かしているような感覚になります。もちろん、最終的な意思決定は経営層が行いますが、会社の大きな意思決定に関与できるというやりがいを感じることができます。

3. 確実なキャリアアップが見込める

経営企画は経営そのものに関わる大事な仕事になるので、社内のエース級が配属される傾向にあります。経営企画への配属自体が昇進・昇格前の経験を積ませるためであることも多いため、社内での昇進が見込める可能性も高いと言えるでしょう。

また経営企画での業務経験は会社の中でも一部の人しか関わることのできない貴重な業務経験であることが多く、かつ他社でも同様に通用する経験であるため、転職でキャリアアップすることも十分可能です。激務となることも多いですが、経営企画で貪欲に業務経験を積めるだけ積むという姿勢で取り組むと今後のキャリアアップにつながるでしょう。

まとめ

この記事では経営企画の仕事が「つらい理由」・「楽しい理由」をご紹介しました。

経営企画の仕事がつらい理由
  1. 業績が悪い時のプレッシャーが大きい(ダントツ1位)
  2. 不規則な仕事のリズム・長時間勤務
  3. 退屈な業務も多い
経営企画の仕事が楽しい理由
  1. 経営のノウハウが学べる
  2. 会社そのものを動かせる感覚
  3. 確実なキャリアアップが見込める

これから経営企画になる方へのご参考になればと思います。

「経営企画の仕事内容」や「経営企画に向いている人の特徴」は他の記事で紹介しているのでよければお読みください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

本ブログでは20−30代に向けたキャリア形成・資産運用について役立つ情報を発信しています。

大手電気機器メーカーの経営企画管理職/投資歴15年以上、日本株・米国株・FX・日経225先物/アラフォー2児の父

Twitter「仕事に役立つ思考」「投資・お金の活かし方」について呟いています。

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