今回はこれから転職する人に向けて「転職活動のロードマップ」を解説していきます。
この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。
- これから転職活動を始めようと考えている人
- どのように転職活動を進めればいいのか悩んでいる人
- 転職活動を成功させるために、何をすればいいのか知りたい人
筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウや注意すべきポイントをお伝えしています。
「さあ転職活動を始めよう!」と思っても、初めて転職する人は何から手をつけて良いかわからないと思います。
転職活動は手間も時間もかかるので、できるだけ効率よく進めたいですよね。
この記事を読めば、転職活動の全体像が理解できてスムーズに転職活動を進めることができますよ。
転職活動のロードマップ
転職活動を計画的に進める上で、転職活動開始から入社までどのようなプロセスで進むか全体像を把握しておくことが大切です。
転職活動のロードマップとなる、具体的な転職活動の標準プロセスをまとめてみました。
転職活動は大きく「転職準備活動」、「転職活動(本番)」、「退職・入社準備」の3つの段階に分けることができます。
転職活動の開始から入社までにかかる期間は「最短3ヶ月(できれば6ヶ月)」で見ておくのが良いでしょう。
具体的にどのように取り組めば良いのか、転職活動の進め方を9つの手順にして解説していきます。
転職活動の進め方:9つの手順
- 転職準備活動
- 手順1:転職エージェントや転職サイトに登録する
- 手順2:キャリアの棚卸しを行う
- 手順3:キャリアプランの見直しをする
- 手順4:求人確認・応募先に合わせて応募書類を更新する
- 転職活動(本番)
- 手順5:応募・書類選考を通過する
- 手順6:採用面接を受ける
- 手順7:内定をもらう
- 退職・入社準備
- 手順8:退職手続きをする
- 手順9:転職先へ入社準備をする
1. 転職準備活動
手順1:転職エージェントや転職サイトに登録する
転職エージェントとは転職をサポートしてくれる転職コンサルサービスの総称です。
自分にあった転職エージェントを選ぶことで、他の人より転職活動を有利に進めることができます。
転職エージェントを活用するメリット
- 自己分析:第三者視点で、自分のキャリアで狙える企業を分析してくれる
- 案件紹介:多くの企業とコネクションを持ち、希望条件に合う案件を紹介してくれる
- 転職対策:応募企業に適したエントリーシートの添削や、面接対策をしてもらえる
- 年収交渉:本人がやりにくい年収交渉を、転職者に代わって年収交渉してもらえる
これだけメリットがありながら、転職エージェントは全て無料で利用できます。
転職エージェントは採用企業から成功報酬をもらうビジネスモデルなので、無料でも気兼ねなく利用してくださいね。
手順2:キャリアの棚卸しを行う
転職活動をスムーズに進めるためにも、「キャリアの棚卸し」をしておきましょう。
- STEP1:これまでの「所属と業務内容」を洗い出す
- STEP2:主な「実績」を書き足す
- STEP3:業務を通じて備わった「業務経験」と「スキル」を洗い出す
キャリアの棚卸しの最大の目的は、自分の転職市場価値を正しく理解するということです。
転職活動を始める人の中には、自分の転職市場価値を低く見積もりすぎている人、逆に高く見積もりすぎている人がいます。
自分の転職市場価値を知っていれば、こうしたミスマッチは減らすことができますよね。
キャリアの棚卸しの詳しい内容は【転職】キャリアの棚卸し方法を解説します【テンプレあり】で紹介しています。
手順3:キャリアプランの見直しをする
キャリアプランとは、将来なりたいポジションに向けて、これからどのような経歴(キャリア)を積んでいくのか計画することです。
筆者は転職をする前に、まずキャリアプランをしっかりと見直すことをオススメしています。
その理由は、転職は長期的なキャリアプランから逆算して方向性を決めるべきだからです。
しっかりとしたキャリアプランを考えずに転職してしまうと、せっかく転職してもその後のキャリアで行き詰まる可能性があります。
- STEP1:キャリアの棚卸しをする
- STEP2:5年先のキャリア・ポジションを自由に思い描く
- STEP3:そのキャリアに到達するためのキャリアプランを考える
今後の「キャリアプラン」を考えることは、転職活動で最も大事なプロセスのひとつです。
この機会にこれまでのキャリアを振り返り、今後のキャリアプランを見直していきましょう。
キャリアプランの考え方・見直し方は【転職】キャリアプランとは?転職を機に見直すべき理由で詳しく紹介しています。
手順4:求人確認・応募先に合わせて応募書類を更新する
転職エージェントからの紹介で応募したい企業が見つかれば、応募先に合わせて応募書類を作成・更新します。
応募に必要な書類は履歴書と職務経歴書の2つです。
履歴書と職務経歴書の役割の違い
- 履歴書:応募者の「氏名、写真、学歴、職歴、免許・資格」など基本プロフィールを伝える役割
- 職務経歴書:応募者の「これまでの業務経験・実績、スキル」など、これまでの経験を踏まえて入社後にどう活躍できるかを伝える役割
履歴書・職務経歴書の詳しい書き方は下記の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてくださいね。
>>【転職】失敗しない職務経歴書の書き方【5つの手順で解説】
2. 転職活動(本番)
求人企業への応募を終えると、いよいよ転職活動の本番開始です。
「応募」→「書類選考」→「書類選考通過」→「採用面接(2~3回)」→「内定」
というプロセスを経ます。
手順5:応募・書類選考を通過する
現在は多くの企業が応募書類を電子データで受付しています。
応募書類を手書きで郵送することで選考が有利になるといったことはないので、電子データで応募しましょう。
電子データの方が応募側も作成が楽ですし、採用側も見やすくスピーディに選考ができるのでお互いにメリットですよね。
書類選考を通過する確率は30~50%とも言われており、実際に応募してみて書類選考通過の難しさを実感する人も多いでしょう。
なかなか書類選考通過ができない場合は、採用者がどういった視点で応募書類を選考しているのか再確認して、履歴書・職務経歴書が対策できているか見直してみましょう。
手順6:採用面接を受ける
書類選考を通過すれば、いよいよ転職活動の山場である面接を迎えます。
面接は2~3回であることが多く、中途採用の面接の通過率は50%以下とも言われています。
採用側の聞きたいポイントを理解して、面接対策をしましょう。
面接で採用者が重視するポイント3つ
- 即戦力となる業務経験・スキルが本当にあるか?
- 自社への志望動機・モチベーションは本物か?
- 同じ職場で働くイメージが持てるか?
採用者視点の面接ポイントは【転職】面接で採用者が重視するポイント3つ【採用者が解説】で詳しく紹介しています。
内定が出るまでに年収交渉しておこう
年収交渉をする場合は、内定が出るまでに確認・交渉を終えておきましょう。
採用側としては年収込みで採用・不採用を決定しているので、内定後の大幅な年収交渉は基本的に難しいということを覚えておいてください。
具体的な方法は転職年収アップの相場は10%増!年収交渉に失敗しない方法の記事に記載しています。
手順7:内定をもらう
面接を合格すれば晴れて内定がもらえます。第一志望の企業から内定が出れば転職活動は終了です。
もし複数企業の選考が並行している場合は、内定を保留してもらいましょう。
1〜2週間程度であれば待ってもらえますが、回答期限以上となる場合は内定辞退も覚悟しながら企業へ相談してみましょう。
3. 退職・入社準備
手順8:退職手続きをする
内定が出たら現職の職場上司に退職の旨を伝えましょう。
法律上は退職の2週間前までに退職届を提出すれば退職できることになっていますが、就業規則では退職の1ヶ月前と規定している企業が多いです。
会社の就業規則で規定がある場合はそちらが優先されますので、事前に確認しておきましょう。
会社側も後任選定や引き継ぎ期間が必要になるので、内定が出たらなるべく早く会社に伝えることで円満に退社できます。
手順9:転職先へ入社準備をする
有給休暇の消費や退職から入社するまでにまとまった休暇が取れる場合はリフレッシュしたり、次の仕事に向けた勉強時間に当てましょう。
社会人になるとなかなか長期休暇を取るのが難しいので、この機会に普段できないことにしっかり時間を使いましょう。
以上が転職活動の標準プロセスのおおまかな流れと手順となります。
転職する前に読んて欲しいオススメ本
転職で失敗しないためにもしっかりと知識を身につけることは大切です。
何冊も本を読む時間はない方へも、この本だけは読んでほしいと思う本を紹介します。
「転職の思考法」を読むことで、初めての転職に向けて何を軸に考えるべきか?が頭の中でクリアになってくると思います。
今すぐ転職を考えていない方にも、自身の「マーケットバリュー(=市場価値)」の考え方と評価の仕方はとても参考になると思います。
「転職2.0」は、働き方・雇用のあり方が変わりつつある現代日本でのキャリア形成の考え方が非常に参考になります。
仕事内容を会社名でなく仕事内容で選んでいく時代にどのように対応していけばいいのか、今後のキャリア形成を考えるうえで一読して損はない1冊です。
「『辞める人・ぶら下がる人・潰れる人』さて、どうする?」は転職ノウハウではなく、優良人材がなぜ転職してくのか?組織が病んでいくメカニズムの分析と、組織の病巣を切除する打ち手の考察をマーケティング思考に基づいて解説した書籍です。
この書籍は、自身の会社組織が病んでしまっている原因を明確にすることで、自身のキャリア再構築を考えるきっかけになると思います。
まとめ:転職活動の全体像を把握して効率的に取り組もう!
今回は「転職活動のロードマップ」について解説しました。最後に再掲します。
転職活動のロードマップ
- 転職準備活動
- 手順1:転職エージェントや転職サイトに登録する
- 手順2:キャリアの棚卸しを行う
- 手順3:キャリアプランの見直しをする
- 手順4:求人確認・応募先に合わせて応募書類を更新する
- 転職活動(本番)
- 手順5:応募・書類選考を通過する
- 手順6:採用面接を受ける
- 手順7:内定をもらう
- 退職・入社準備
- 手順8:退職手続きをする
- 手順9:転職先へ入社準備をする
転職を早期に成功させるには、転職活動の全体像を把握した上で段取りよく進めていく必要があります。
これから転職活動をする人は、まず転職エージェントや転職サイトへの登録から始めてみましょう。
今回は以上になります。
このブログでは採用者視点で転職ノウハウや注意すべきポイントをお伝えしているので、ぜひ他の記事も活用してくださいね!