今回は「一度不採用となった企業へ再応募で採用されるための対策」を採用者視点で解説していきます。
この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。
- 一度落ちた会社が諦めきれずに再応募したいと考えている人
- 再応募で採用されるために何をすれば良いか知りたい人
筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウや注意すべきポイントをお伝えしています。
就職・転職活動で企業研究をすればするほど、企業に魅力を感じて「この会社で働きたい!」という気持ちが強くなるものです。
しかし、どうしても入りたいと思って応募したにもかかわらず、企業のニーズと合わずに不採用となることも少なくありません。
この記事では、一度落ちた会社であっても、もう一度チャレンジして採用されるにはどうすればいいか?を解説していきます。
一度落ちた会社へ再応募しても大丈夫?
「不採用となった企業に再応募していいのだろうか?」
と不安を持つ人もいるかもしれませんが、採用者の立場でお答えすると、ポジションの募集があれば一度不採用となった企業へ再応募しても問題もありません。
企業はポジションに合う人材を早く採用したいために中途採用を募集しているので、応募者が多いほど採用に選択の余地もできるので悪いことではないのです。
ただ、一度落ちた原因を克服せずに全く同じポジションに応募しても採用される可能性は低いです。
一度不採用となった企業の同じ募集要項へ再応募するには、期間を空けてしっかりと問題点を解決してからにしましょう。
再応募の前に:不採用の原因分析をする
再応募への対策に向けて、まず不採用の原因を特定しておきましょう。
① 書類選考で落ちた場合
書類選考で落ちた場合の問題点は主に2パターンに分類されます。
パターン1. 業務経験・スキルそのものが不足
中途採用は即戦力を求めているため、応募ポジションにふさわしい業務経験やスキルがそもそも不足している場合は書類選考で落とされます。
この場合は、再応募の前に業務経験やスキルを身につけることを最優先にしましょう。
具体的には、社内で異動して業務経験を積む、関連資格を取得してスキルをアピールするなどです。
いずれも対策に時間がかかりますが、時間をかけた分、自分の市場価値は確実に向上します。
パターン2. 書き方・PRの仕方が足りない
本当は応募ポジションにマッチする業務経験やスキルがあるのに、書き方やPRの仕方が悪くて書類選考に落ちる場合もあります。
相手にわかりやすく伝える文章をまとめる技術も社会人のスキルです。
業務スキル・経験が十分なのに落とされた場合は、履歴書・職務経歴書の書き方を見直してみましょう。
ポイントは、履歴書・職務経歴書を書く時に、採用者視点に立って知りたいポイントを書くことです。履歴書・職務経歴書に書くべきポイントは下記の記事を参考にしてくださいね。
>>【転職】書類選考を通過する履歴書の書き方【採用者が解説】
>>【転職】失敗しない職務経歴書の書き方【5つの手順で解説】
② 面接で落ちた場合
書類選考を通過しているということは、少なくとも書類上は即戦力としての見込みがあると判断されています。
では面接で落ちてしまうのはなぜでしょうか。
面接で落ちた場合の問題点は大きく3パターンに分類されます。
パターン1. 面接で緊張して実力が発揮できない
誰でも面接では緊張するのが当然ですので、面接官も応募者がなるべくリラックスして普段通り話せるように努めていると思います。
ある程度はしどろもどろになっても気にされないと思いますが、明らかに受け答えがおかしい場合はコミュニケーション力を疑問視されかねません。
パターン2. 動機・モチベーションのPR不足
面接では、業務スキルに加えて、どれくらい自社の採用ポジションへの転職を真剣に考えているか「本気度」を見られています。
どうしてもこの会社・このポジションで働きたいという理由をしっかり伝えきれないと、「採用しても仕事へのモチベーションが低そう」と採用を見送られてしまう可能性があります。
パターン3. 面接官と気が合わない
中途採用の面接官は配属部署の責任者と人事担当がセットですることが多く、配属部署の上司・または上司の上司にあたる人が面接をして、一緒に働くイメージが持てるかどうかを見ています。
採用するからには長く一緒に働くことになるので、できるだけ自分のマネジメントスタイルに合う人・気があう人を採用したいと言うのが本音です。
30分程度の面接でその人のこと全てはわからないので、最後はフィーリングが合う・合わないの直感に頼ることになります。
気が合わなさそうという理由で不採用になるのは不満かもしれませんが、ウマが合わない上司と働くのを回避できたと思って割り切りましょう。
面接で落ちてしまう人は、面接で採用者が何を重視しているかをきちんと把握しているでしょうか?自身のない人は、こちらの記事を参考にしてください。
再応募で採用されるための対策4つ
不採用の原因が特定できたら、再応募に向けて対策をしましょう。4つの対策を解説します。
- 対策1:企業研究を徹底する
- 対策2:応募書類の書き方を見直す
- 対策3:面接の場数を踏んで慣れる
- 対策4:別の募集職種・部門を受ける
対策1:企業研究を徹底する
企業研究は徹底的に行いましょう。特に効果的な企業研究の方法を2つ紹介します。
会社HPのIR資料を確認する
企業は投資している株主に対して事業経営の説明責任があります。
投資家向けIR(Investor Relations)資料はそうした株主・投資家に向けて、企業の経営概況・事業戦略を嘘偽りなく提示している資料です。
IR資料を読めば企業の経営状況・事業戦略が丸わかりできるので、必ず目を通しておきましょう。
会社がどのような方向性を目指しており、どのような人材を求めているかが理解できていれば、志望動機に現実味を増すことができます。
転職エージェントからの情報収集
経験の長いエージェントであれは、応募企業の採用人事担当と繋がりがあります。
「面接は何回か?」「面接担当は誰がするのか?」「企業はどのような人材を欲しがっているか?」など、知っている範囲で教えてもらうことが可能です。
ただし、エージェントによって企業の得手不得手があります。
登録先のエージェントを複数当たって応募先の企業に強い人から情報を引き出しましょう。
転職エージェントの選び方は【2022年版】オススメの転職エージェントと選び方で紹介をしています。
対策2:応募書類の書き方を見直す
業務スキル・経験が十分なのに書類選考で落とされている場合は、履歴書・職務経歴書の書き方を見直してみましょう。
履歴書の見直しポイント
「志望動機」を重点的に見直します。
志望動機の伝え方に正解はないので、応募先の企業分析をしっかり行い自分なりの動機を作り込みましょう。
「なぜこの企業・ポジションなのか?」「自身の経験・スキルをどう活かせるか?」を企業研究を踏まえて練り込むと良いでしょう。
「志望動機」の書き方は下記の記事で詳しく紹介しています。
>>【転職】書類選考を通過する履歴書の書き方【採用者が解説】
職務経歴書の見直しポイント
「即戦力」としてのPRが十分かを見直します。
「企業の採用ポジションに求められている経験・スキルとマッチしたPRになっているか?」を見直しましょう。
「即戦力」をPRするための職務経歴書の書き方は下記の記事で紹介しているので、参考にしてくださいね。
>>【転職】失敗しない職務経歴書の書き方【5つの手順で解説】
対策3:面接の場数を踏んで慣れる
面接は少なからず皆が緊張しますが、しっかりと対策することで成功の確率を上げれます。
緊張して実力が発揮できなかった人は、
- 想定QAを数多く作成して練習する
- 面接の数をこなす
ことで対策をしましょう。
最も手軽なのは、転職エージェントにお願いして面接練習をしてもらうことです。
転職エージェントから、事前に応募企業の面接官の情報や聞かれやすい質問を聞き出しておきましょう。
面接は慣れもあるので、複数企業を受けて面接の場数を踏むことも大切です。
対策4:別の募集職種・部門を受ける
職種を変えてでもその企業に入りたい場合は、応募する職種・部門を変えてみるのも手です。
応募職種・部門が変われば、採用後に配属先上司となる面接官も変わるので、最初の採用担当とはまた違った視点で評価してもらうことができます。
同じ会社でも採用部署が変わればマッチすることがあるので、どうしても入りたい企業であれば応募ポジションを変えてみることもアリだと思います。
筆者の知る後輩には7回も同じ企業に応募してようやく採用された人がいます。その会社の商品を気に入っていて、どうしても商品開発に関わりたかったようです。たまたま企業側も新規事業の立ち上げで人員募集することとなり、その部署に応募してみたところ持っていたスキルがマッチして採用となりました。
まとめ:落ちた原因を克服して再挑戦しよう!
今回は「一度不採用となった企業へ再応募で採用されるための対策」を解説しました。
どうしても入りたい企業であれば、一度不採用になったからといって諦めることはありません。
しっかりと落ちた原因を克服してから再応募すれば採用される可能性は十分あります。
採用・不採用は、その時に当たった採用担当との相性など、運によるところも多いのが事実です。諦めずに挑戦し続けましょう。
今回は以上になります。