転職年収アップの相場は10%増!年収交渉に失敗しない方法

今回は「転職での年収アップの相場」「転職で年収交渉に失敗しない方法」について解説していきます。

この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。

  • 転職での年収アップの相場が気になる人
  • 今回の転職で確実に年収アップしたい人
  • 転職で年収交渉を失敗したくない人

筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウ注意すべきポイントをお伝えしています。

転職の動機が「現職からの年収アップ」という人は多いのではないでしょうか。

また年収アップが主目的でなくても、できるだけ年収はアップしたいと考えるのが自然ですよね。

本記事を読めば、「転職で年収アップしやすい条件」「年収交渉で失敗しない方法」について知ることができますよ。

目次

転職年収アップの相場は10%増

事実:4割以上が転職で年収アップしている

このグラフは厚生労働省|令和2年転職者実態調査を元に、転職による年収の変化を示したものです。

比較的若い20-30代前半の人は、46~49%と実に半数近くが転職により年収が増加しています。

また35-49歳までの比較的年収が高くなってくる世代でも、4割以上が転職により年収アップしていることがわかります。

つまり、転職者の多くが転職によって年収アップを実現しているのです。

では年収アップの相場はどのくらいでしょうか?

dodaの転職調査データによると、転職で年収がアップした人の平均年収増加率は13.6%(+56.7万円)となっています。

個人の状況によっても異なるので一概には言えませんが、年収アップを転職の優先事項と考えている人は現職の+10~20%程度を目標にして良いと思います。

それでは年収アップをどのように実現していくか解説していきます。

年収アップのための転職条件3つ

まず、転職で年収アップを優先するのであれば、そもそも年収アップを狙える条件で転職を進めていく必要があります。

年収アップのための転職条件3つを解説します。

年収アップのための転職条件3つ

  1. 条件1:キャリアチェンジをしない
  2. 条件2:現職より平均年収が高い業界を狙う
  3. 条件3:平均年収が高い企業を狙う

条件1:キャリアチェンジをしない

全くの未経験の職種に転職する場合はこれまでのキャリアが一旦リセットされることになります。

そのため年収アップを狙うのであればキャリアチェンジ(キャリアリセット)しないことが前提条件です。

下の図はキャリアチェンジの転職難易度を表したものです。

①同職種×同業界:このケースが、最も王道の転職パターンです。これまでのキャリアをフルで活かすことができます。

②同職種×異業界:このケースでの転職は、職種によって難易度が変わります。経理・人事・法務・ITエンジニアなどは業界が変わっても専門性が活かせるので難易度は低いでしょう。一方で、営業・商品企画・研究開発などは業界に依存した仕事内容が多く、これまでの経験がほとんど活かせない業界に転職する場合は転職難易度が高くなります。

③異職種×同業界:業界が同じでも職種が全く異なる場合はキャリアチェンジとなり、これまでのキャリアが評価されにくいため転職難易度は高くなります。この場合は、商品企画→マーケティング、研究開発→技術営業など現在の職種経験がなるべく活かせる職種への転向を検討しましょう。

④異職種×異業界:これまでの業界の知識、職種の経験いずれも活かすことができないため、転職難易度は最も高くなります

難易度が高いということは、転職が決まりにくいだけでなく、仮に決まったとしても年収が大幅に下がる可能性があります。

年収アップを狙う場合は、「①同職種×同業界」もしくは「②同職種×異業界」での転職を検討しましょう。

条件2:現職より平均年収が高い業界・企業を狙う

現職よりも平均年収が高い企業に転職することができれば、その会社の給与水準で査定されるため前職と同じ仕事内容であっても、年収アップとなる可能性が高くなります

業界と企業の視点で解説しますね。

年収水準が高い業界を狙う

業界毎に年収水準・相場がある程度決まっています。

下記は業界別 平均年収ランキング(2020−2021年)|業界動向サーチのデータです。

業界別 平均年収ランキング(2020−2021年)|業界動向サーチ

業界が変わっても専門性が活かせる職種(経理・人事・法務・ITエンジニアなど)の場合は、年収水準が高い業界への転職を狙うのもアリです。

筆者の知人では、電気機器メーカーから異業界に転職し、年収700万円台から一気に1,000万円台と50%近く年収アップしたケースもあります。

ただし、高成長な業界ばかりではなく、過去に競合他社と年収ベンチマークしながら年収調整をしてきた結果、年収水準が高い業界もあります。今後も同じ業界水準が続くとは限らないので、その点は留意しておきましょう。

平均年収が高い企業を狙う

同じ業界でも、中小企業よりも大企業、その中でも儲かっている大企業ほど平均年収が高い傾向があります。

同職種×同業界でそうした企業へ転職することができれば年収アップの近道となります。

そうした企業は必然的に人気企業となり競争率も高くなるため、実力・実績をしっかりアピールできるようにして臨みましょう。

年収交渉で失敗しない方法4つ

募集要項に「経験に応じて」などの補足付きで年収幅がある場合は、内定が出るまでになるべく高い水準にしてもらえるよう確認・交渉してみましょう。

前職と同じ職種・業務内容であれば、前職の年収が参考値となるため同等以上の年収交渉は十分可能です。

一方で、年収交渉は下手をすると印象を悪くし、わずかな年収の折り合いがつかずに不採用となる場合もあります。

年収交渉で失敗しない方法4つを解説します。

年収交渉で失敗しない方法4つ

  1. タイミングは内定が出るまでに年収交渉する
  2. 転職市場価値からかけ離れた金額は希望しない
  3. 転職先企業の平均年収・給与体系を踏まえた金額を希望する
  4. 転職エージェントに年収交渉してもらう

1. タイミングは内定が出るまでに年収交渉する

内定後に年収提示がありますが、年収の確認・交渉はそれまでに必ず終えておきましょう。

採用側としては年収込みで採用・不採用を決定しているので、内定後の大幅な年収交渉は基本的に難しいということを覚えておいてください。

内定後も多少のアップ交渉は可能かもしれませんが、想定していた金額とかけ離れていることがないように希望額は事前に伝えておく方が無難です。

面接の中で希望年収を聞かれたら、遠慮せずその中で答えればOKです。

もし最終面接でも聞かれなければ、「最後に質問はありませんか?」のタイミングでどのくらいの年収で採用を検討しているのかを確認してみましょう。

「希望年収はありますか?」と聞かれれば、年収アップを狙いたい金額を正直に答えるのが良いと思います。

採用側も、採用者に気持ちよく働いて欲しいと考えていますので、来て欲しい人材にはなるべく希望年収を提示したいと考えています。

一方で、採用予定金額と希望金額にあまりにギャップがあると、「ウチでは希望金額を出せないので採用するのは申し訳ないな」と採用を見送られることもあるので注意が必要です。

2. 転職市場価値からかけ離れた金額は希望しない

このくらいの業務経験・スキルであれば、この業界でこのくらいの年収という転職市場価値がある程度は決まっています。

そこから大きくかけ離れた金額を希望すると不採用の要因になるので、自分の転職市場価値を正しく把握しておきましょう。

転職市場価値を知るには、キャリアの棚卸しを行い、転職エージェントに見てもらうことが最も確実です。詳しいやり方は下記の記事で解説しています。

3. 転職先企業の平均年収・給与体系を踏まえた金額を希望する

どれほどあなたの経歴やスキルが優れていても、転職先企業の平均年収・給与体系を大きく超えた金額提示は難しいのが実態です。

仮にもしあなただけが特別待遇で入社できたとしても、他の社員から疎まれたり特別視されて仕事がやりにくくなる可能性が高くなります。

事前に企業の公開データ口コミサイトを調査して、転職先の平均年収や年齢・役職による給与体系を調べておきましょう。

4. エージェントに年収交渉してもらう

年収交渉は転職エージェントを経由して行うことで失敗の確率を減らせます

エージェントはプロとして様々な企業の採用実績を見ているので、転職者のスキル・業務経験からこのくらいの年収は狙えるという水準をよく理解しています。

内定までにあらかじめこのくらいの年収が欲しいということをエージェントに伝えておけば、転職者に代わって企業の採用担当と市場価値に見合う年収を交渉してもらえるので、自身で交渉するよりも有利に進めることができるでしょう。

転職エージェントによって強い業種・地域が異なるので、転職を考えている方はまずいくつかの転職エージェントに登録しておくことをオススメします。

【補足】年収アップだけが転職のゴールではない

ここまで年収アップについてお伝えしてきましたが、転職の動機は年収以外にもたくさんあるはずです。

例えば「自分が本当にやりたい仕事がある」場合は、必ずしも年収アップにこだわる必要はありません。

もし20代や30代で年収が一時的に下がったとしても、その後の社会人生活でそれ以上に上がるチャンスはいくらでもあります。

年収が上がり続ける人は、活き活きと働くことができ、役職が上がり、結果的に年収もついてくるといったケースが多いのだと思います。

年収アップは大切な要素ですが、目先のわずかな年収アップにこだわりすぎて、せっかくの転職機会を逃すことのないように注意してほしいと思います。

まとめ:適切に転職すれば年収アップ+10~20%増は現実的!

今回は「転職での年収アップの相場」「転職で年収交渉に失敗しない方法」を解説しました。

個人の状況にもよるため一概には言えないものの、年収アップしやすい転職条件を満たし、年収交渉を適切に行えば年収アップ+10~20%は現実的な数字です。

せっかく時間と手間をかけて転職するのであれば、できれば年収も上げたいですよね。

年収アップは仕事する上でも大きなモチベーションになるので、これから転職をする人は、やりたい仕事と年収のバランスを見つめ直してみましょう。

今回は以上になります。

この記事を書いた人

本ブログでは20−30代に向けたキャリア形成・資産運用について役立つ情報を発信しています。

大手電気機器メーカーの経営企画管理職/投資歴15年以上、日本株・米国株・FX・日経225先物/アラフォー3児の父

Twitter「仕事に役立つ思考」「投資・お金の活かし方」について呟いています。

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