転職すべき人と転職すべきでない人の見分け方【採用者視点】

今回は「転職すべき人と転職すべきでない人」について、採用者視点で解説していきます。

この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。

  • 転職しようかどうか悩んでいる人
  • 転職した方がいいのか?客観的な判断材料が欲しい人
  • 採用者視点の転職アドバイスが欲しい

筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウ注意すべきポイントをお伝えしています。

一昔前に比べて転職が当たり前になったとはいえ、転職は本人にとって人生の一大イベントであることには変わりません。

失敗してしまうと、収入が大きく減るなどその後の人生にも大きく影響します。

転職で後悔をしないためにも、事前にしっかりと転職の知識を身に付けましょう。

目次

事実:1割以上の人が転職後も不満を感じている

この円グラフは厚生労働省|令和2年転職者実態調査を元に、転職後の満足度を示したものです。

半数以上の方が「満足」「やや満足」と回答している一方で、「やや不満:9%」「不満:3%」と回答しています。

つまり、せっかく苦労して転職したものの、1割以上の人が転職後も勤務先に不満を感じているということです。

転職にはかなりの時間と労力を使うものです。

苦労して転職した結果が満足のいくものでなければ、「やめておけばよかった」と後悔することになるかもしれません。

そうならないためにも「転職すべき人」と「転職すべきでない人」の特徴を知っておくことは大切です。

なぜなら転職を迷っている方への転職をすべきかどうかの客観的な判断材料になるからです。

それでは「転職すべき人」「転職すべきでない人」の特徴を解説していきます。

転職すべき人の特徴4つ

まず「転職すべき人の特徴」を4つ解説します。

もし2つ以上に該当する方は積極的に転職を検討していきましょう。

転職すべき人の特徴4つ

  1. 労働条件が悪い企業に勤めている人
  2. 現職を続けてもスキル・経験が身につかない人
  3. 現職企業の将来性が見込めない人
  4. 現職での昇格・昇給が見込めない人

それでは一つずつ解説していきます。

1. 労働条件が悪い企業に勤めている人

「業務量が多く土日出勤や長時間勤務は当たり前」
「業界水準に比べて平均年収が極端に低い」

など、労働条件が悪い企業に勤めている場合は転職を考えた方が良いでしょう。

特に、

「長時間勤務が全てサービス残業」
「職場ハラスメントがある」

などブラック企業と呼ばれるほど労働環境が悪い場合は迷わず転職すべきです。

2. 現職を続けてもスキル・経験が身につかない人

スキル・経験が身につかないまま年齢が高くなるほど、転職は不利になってしまいます。

「単純作業ばかりでスキル・技能が身につかない」
「専門性の高い業務経験ができない」

といった人は、仕事内容が今後もずっと変わらないようであれば早めに転職を考えた方が良いでしょう。

3. 現職企業の将来性が見込めない人

20代、30代であればまだまだ人生は長いので、長く居続けられる企業かどうかも大切です。

とはいえ、会社の将来性を見極めるのはなかなか難しいと思います。

しかし、例えば、

  • 業界自体が停滞している
  • 現職企業はシェアTOP3未満
  • 技術力やサービス力に差別化できる優位性がない

といった項目に全て当てはまる企業の将来性はどうでしょうか。

こうした企業に居る場合は、市場の成長性も競争力もないので将来はあまり明るくないと思った方が良いです。

4. 現職での昇格・昇給が見込めない人

「年功序列で上のポストが埋まっており昇格の見込みがない」
「会社業績が低迷を続けており昇給が見込めそうもない」

といった人も、転職を検討して良いと思います。

会社の置かれた状況は自身の努力だけではどうすることもできないため、早く見切りをつけましょう。

将来的に年収が高くなる可能性のある会社に身を置いて努力した方が得策です。

転職すべきでない人の特徴3つ

続いて「転職すべきでない人の特徴」を3つ解説します。

下記に当てはまる方は、もし迷っているようでしたら今すぐ転職しないという判断もアリです。

転職する場合の注意点も解説しているので、リスクをよく理解した上で行動するようにしましょう。

転職すべきでない人の特徴3つ

  1. 優良企業に勤めている人
  2. キャリアリセットの転職を考えている人
  3. すでに何度か転職しており、転職回数の多い人

順に解説していきます。

1. 優良企業に勤めている人

大手企業など一流企業と呼ばれるような競争率の高い企業に勤務している人が、安易に中小企業やベンチャー企業に転職することはオススメしません。

現職企業の中にいると分かりづらいかもしれませんが、

  • 業界水準より高い給料
  • 住宅手当などの福利厚生
  • 分業化された組織体制
  • 安定した顧客と業績

などは、なかなか中小企業では見られない好条件の労働環境です。

もちろん、中小企業やベンチャー企業も千差万別で、大企業よりも魅力的な企業や将来性のある企業はたくさんあります。

ですが、実際にはそうした企業よりも風が吹けば飛ぶような中小企業の方が多いということを覚えておいてください。

もしも大企業から中小企業・ベンチャー企業へ転職する場合は、事前に企業研究を念入りに行い、自身のやりたいことやキャリアプランを明確にした上で転職しましょう。

優良企業に新卒で入れた方でも、中途採用で入ろうとすると新卒より数段ハードルが高くなることは考えておいた方が良いでしょう。

2. キャリアリセットの転職を考えている人

これまでの業務経験(キャリア)とは全く異なる、異業種・異職種にチャレンジする場合はキャリアリセットとなり、ほぼ確実に年収は下がりることになります。

なぜなら採用側は即戦力として中途採用を考えているからです。

そのため、基本的に「これまでの業務経験」がない未経験者を有利な条件で採用することはほとんどありません。

仮に将来性を期待されてポテンシャル採用することがあったとしても、「業務経験のある人」と同等の処遇は出せないので年収は下がってしまうことになります。

キャリアリセットの転職をするのであれば、転職前に資格取得をするなど、未経験職種であっても自身が企業へ貢献できることをアピールする準備をしておきましょう。

3. すでに何度か転職しており、転職回数の多い人

すでに何度か転職している人は、安易に転職を検討すべきではありません。

一般的に、転職回数が多くなるほど採用に不利になります。

例えば、もしあなたが20代ですでに2回の転職を経験しているようであれば、3回目の転職はかなり慎重にしましょう。

転職回数が多いことによる採用への影響は、下記の記事で解説しているので参考にしてくださいね。

転職する前に検討するポイント3つ

ここまでで「転職すべき人」「転職すべきでない人」の特徴を解説してきました。

それらを踏まえた上で「転職を考えたい」という方へ、転職活動を本格化する前に検討しておくべきポイントを解説します。

転職する前に検討するポイント3つ

  1. 転職条件の優先順位を明確にし、ブレない転職動機を作る
  2. キャリアの棚卸しと今後のキャリアプランを見直す
  3. 転職エージェントにキャリアコンサルをしてもらう

順に解説していきます。

1. 転職条件の優先順位を明確にし、ブレない転職動機を作る

「自分は何のために転職するのか?」
「転職で何を得たいのか?」

という転職動機の軸を、転職活動を本格化する前に明確にしておきましょう。

「年収アップがしたい」
「キャリアアップにつながる専門性を身につけたい」
「育児・介護をしながら働ける環境がいい」

など色々あると思います。

しかし、全ての好条件を満たしてくれる転職というのはなかなか難しいのが現実です。

なので、その中から絶対にゆずれないポイントを2−3つに絞り優先順位をつけましょう。

この優先順位が、あなたがこれから転職活動を進めていく上でのブレることのない転職動機となります。

2. キャリアの棚卸しと今後のキャリアプランを見直す

キャリアの棚卸しとは、これまでの業務内容や主な実績を振り返りながら、自身がどのようなスキル・経験を身につけてきたのかをしっかりと自分で把握することです。

やり方としては、ざっとメモ帳などに書き出した後に、履歴書や職務経歴書を作成しながらじっくり時間をかけて考えてみるのがオススメです。

これまでのキャリアが棚卸しできたら、今後のキャリアプランを自由に思い描いてみましょう。

例えば、

「営業経験を活かしながら、今後はグローバルにも活躍したい」
「プログラミング経験を活かしながら、上流工程にも携わりたい」
「経理経験を活かしながら、より大きな企業規模の経理業務をしたい」

などです。

ここでの大事なポイントは、自身の強み・これまでの経験を軸にしながらのキャリアプランを描くことです。

どのように専門分野の幅を広げていくのか考えることは、現職でのキャリアアップを考える上でも大切なことです。

ですので、今すぐ転職をするつもりでない人でも定期的にキャリアの棚卸し・見直しを実施して欲しいと思います。

もし軸となる強み・経験が少ない場合は、業務に関連する勉強や資格取得を始めてみるのが良いでしょう。

3. 転職エージェントにキャリアコンサルをしてもらう

このグラフは厚生労働省|令和2年転職者実態調査を元に「転職準備活動として何をしたか?」のアンケート結果を示したものです。

「産業・職業に関する情報収集をした」に次いで多いのが「キャリアコンサルティングを受けた」となっています。

転職先の情報収集をするのはある意味当然のことですが、転職活動する方の多くがキャリアコンサルティングを受けているという事実は意外に思われるかもしれません。

ですが、転職エージェントにキャリアコンサルしてもらうことは、転職活動する上で多くのメリットがあります。

転職エージェントにキャリアコンサルしてもらうメリット

  • 第三者視点で市場価値を教えてくれるので、自分のキャリアで狙える企業を把握できる
  • 多くの企業とコネクションを持ち、希望条件とマッチする案件を紹介してもらえる
  • 本人がやりにくい年収交渉を、転職者に代わって年収交渉してもらえる

こうしたメリットがあるので、転職エージェントを利用している人は、利用していない人に比べて転職活動を有利に進めることができます。

転職エージェントによって強い業種・地域が異なるので、まずいくつかの転職エージェントに登録しておくことをオススメします。

転職エージェントを探す時はこちらの記事【2022年版】オススメの転職エージェントと選び方を参考にしてくださいね。

まとめ:転職すべきか悩んだら、まず活動を始めてみよう!

この記事では「転職すべき人と転職すべきでない人」の特徴を解説しました。
ただ、どちらの特徴にもいくつか当てはまるという方も多いのではないかと思います。

転職すべきか悩んでいる方は、まず転職の準備活動からはじめてみることをオススメします。

転職エージェントは採用企業から報酬をもらうため、転職者は無料で利用できます。

転職活動を始める方は、自分にあった転職エージェントに登録することから始めてみましょう。

今回は以上になります。

この記事を書いた人

本ブログでは20−30代に向けたキャリア形成・資産運用について役立つ情報を発信しています。

大手電気機器メーカーの経営企画管理職/投資歴15年以上、日本株・米国株・FX・日経225先物/アラフォー2児の父

Twitter「仕事に役立つ思考」「投資・お金の活かし方」について呟いています。

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