今回は転職活動中の人に向けて「内定承諾前に確認すべきこと5つ」を解説していきます。
この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。
- 内定が出た企業へ転職すべきか迷いがある人
- 現職や他の内定先と比較して、どう決めたらいいか悩んでいる人
筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウや注意すべきポイントをお伝えしています。
転職活動中は目の前の応募先企業から内定をもらうことに必死で、内定が出た後のことは考える余裕も少ないと思います。
しかし、いざ内定が出ると「このまま転職先を決めていいのかな?」「現職を離れて後悔しないかな?」と迷いが出てくる人も多いでしょう。
この記事では、そうした迷いを解消するために内定承諾をする前の確認ポイントを解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
内定承諾に迷いが生じる理由
苦労して出た内定なのに内定承諾を決めきれない人は、下記の2つのケースどちらかに当てはまるのではないでしょうか。
ケース1. 現職や他の内定先との比較で悩む場合
「現職を離れて後悔しないか?」
「他の内定先の方が魅力的ではないか?」
というのはある意味贅沢な悩みでもあります。
しかし、転職は人生の一大イベントの一つですので慎重になるのは当然です。
この場合は、一度「今回の転職動機と優先順位」を振り返ってみましょう。
- 年収アップをしたい
- 将来のキャリアアップにつながるスキルを身に付けたい
- ワークライフバランスを見直したい
- やりがいのある仕事に就きたい
など、転職で得たいと思っていたことがいくつかあるはずです。
全てを満たす転職はなかなかあるものではないので、最も優先すべきことを3つに絞り、その項目を内定先企業と徹底比較してみましょう。
後述の「内定承諾前に確認すべきこと5つ」も考慮に入れてみてくださいね。
ケース2. 他に選考中の企業がある場合
複数企業の選考が進んでいて、第一志望の企業の内定がまだ出ていない場合は判断が難しいでしょう。
まずは内定が出た企業へ内定承諾の回答期限をできる限り引き延ばしてもらうようお願いしてみましょう。とはいえ、待ってもらえるのはせいぜい1−2週間が限度だと思います。
もし第一志望の企業に落ちると無職になる場合は、内定先の企業を承諾するのも手です。
内定承諾後の辞退は法律違反ではありませんが、原則としてしてはいけないNG行為なので慎重に判断しましょう。
内定承諾前に確認すべきこと5つ
内定承諾前に確認すべきポイントは5つあります。
- 転職後のキャリアプランは明確か?
- 入社後の年収伸びしろはあるか?
- 労働条件は満足のいくものか?
- 会社の業績・事業戦略は問題ないか?
- 会社の評判・口コミは良いか?
順に解説していきます。
1. 転職後のキャリアプランは明確か?
筆者は転職を機にキャリアプランを見直すことをオススメしています。
もし転職準備の段階でキャリアプランの検討をしてきていないのであれば、今からでもキャリアプランの見直しをしてみましょう。
また、転職準備段階でキャリアプランを定めた人でも、転職活動を進めていく中で思い通りに選考が進まなかったり、企業研究をしていく中で進路変更した場合もあると思います。
そうした人は、5年後にどのようなキャリアを築きたいか?そのために転職先の企業・ポジションはふさわしいか?を改めて確認してみてください。
転職後のキャリアプランを明確にしてズレを無くしておくことが、今回の転職の成否を分けるといっても過言ではありません。
内定承諾前にしっかり時間をかけて見極めしましょう。
2. 入社後の年収伸びしろはあるか?
内定通知された年収に度満足している人でも、入社後の年収の伸びしろがどれだけありそうかは確認しておきましょう。
一時的に年収が上がっても、伸びしろがなければ数年経てば現職の方が良かったということになりかねません。
年収の伸びしろがあるかどうかで見ておくポイントは2つです。
- 年代別の平均年収
- 人事評価制度・賃金制度
① 年代別の平均年収
年収は同じ企業の中での相対評価で決まるので、長く勤めるほど平均年収に引っ張られていきます。
年代別の平均年収より低ければ上昇余地は高く、逆に高ければ上昇余地は少なくなります。
より正確に伸びしろを把握するために、会社全体の平均年収だけでなくできれば年代別の平均年収を把握しておきましょう。
Openworkなどの口コミサイトを調べると、年代別におよその年収を予想することができます。
② 人事評価制度・賃金制度
役職以外に等級やグレードで賃金を決めている企業があります。
そうした企業は等級・グレードを上げることで大幅な昇給につながるので、どの等級・グレードで採用されるかや昇格の条件などを調べておくことで今後の年収の上げやすさを把握することができます。
また人事評価をどのタイミングで行うのか、どのように実施されるのかが上司の一存なのか、会社全体でしっかりと制度化されているのかどうかも年収の上げやすさにつながるので可能な範囲で調べておくと良いでしょう。
3. 労働条件は満足のいくものか?
労働条件は不明な点があれば、曖昧にせずしっかりと書面で確認しましょう。
労働条件で確認しておくべきポイントは5つです。
- ポジション・職務内容
- 給与・賞与
- 所定労働時間と残業
- 休日・有給休暇日数
- 勤務地・リモートワークの有無
ひとつずつ解説します。
① ポジション・職務内容
採用後のポジションとどのような職務を担当するかが不明確な場合はしっかり確認しましょう。
部門名やプロジェクト名で、なんとなくこんな仕事だろうと予想していると、入社後のギャップに悩むことになりかねません。
採用面談を通じて、募集要項とは違う仕事を任せたいとなる場合もあるので、その場合は変更内容が許容範囲かどうかをよく見極めましょう。
② 給与・賞与
給与は残業代や交通費など、何が含まれているか・含まれていないかを確認しましょう。賞与の支給条件は給与のXヶ月分など基本条件を確認しておきます。
賞与は会社業績に左右されるので、給与より賞与のウェイトが高い場合は、入社直後の年収が同じくらいでも、業績によっては年収が下がる場合もあることを理解しておきましょう。
③ 所定労働時間と残業
所定労働時間は1日8時間の上限を超えないことが基本ですが、下限はないため7時間の会社もあれば8時間の会社もあります。
基本給が同じで所定労働時間が増えれば時給換算では低下していることになるので注意が必要です。
また、ワークライフバランスが大きく崩れないためにも、普段どのくらい残業がある部署なのかは事前に企業側へ確認しておきましょう。
④ 休日・有給休暇日数
週休2日制であっても、土日が休みでない場合もあるので確認しておきましょう。
有給休暇日数は勤続年数に応じて付与日数が労働基準法に規定されています。
ただ、実際には仕事が忙しいと放棄せざると得ない人も多いため、有給休暇の取得しやすさを合わせて確認しておきましょう。入社前から休みばかり主張するのも印象が良くないので、口コミサイトなどで確認しておくのが良いです。
⑤ 勤務地・リモートワークの有無
入社後の勤務地がどこか、転勤はどの程度あるものなのかは事前に把握しておきましょう。
また2020年のコロナ禍を機にリモートワークを週X回OKという会社も増えました。
リモートワークはまだまだルール整備が進んでいない企業も多く、会社全体では認めていても部署によっては利用できないといったこともあるので、事前に確認してみましょう。
4. 会社の業績・事業戦略は問題ないか?
当然ながら会社の業績が悪い状態が続けば、今後の給与・賞与も上がらないどころか最悪、会社倒産やリストラにあう可能性があります。
長期的に今後の会社業績を見通すことは困難ですが、最低限、今の会社業績と事業戦略は限確認しておきましょう。
上場企業であれば、企業ホームページのIR・投資家向けページにあるIR資料が業績・事業戦略が最もまとまっている資料として参考になります。
5. 会社の評判・口コミは良いか?
採用面談を通じて、少なくとも上司になるであろう人たちの雰囲気はなんとなくつかめていると思います。
しかし、会社の文化・風土や社員のモチベーションなどはそれだけではわからないものです。
口コミサイトなどで調べたり、知り合いやSNSを通じて社員の人にコンタクトしてみたりするのも一つの手段です。
入社してから「思っていたのと違う」というギャップに悩むことのないように、できる限りの事前情報収集をしておきましょう。
まとめ:不安要素を打ち消して転職先を決めよう!
今回は「内定承諾前に確認すべきこと5つ」を解説しました。
いざ内定が出ると転職先を決めて良いのかどうか、迷いが出ることもあるでしょう。その場合は、今回の転職動機と優先順位を思い返し、転職で何を得たかったのかを再確認してみましょう。
最後に内定承諾前に確認すべきこと5つを再掲します。
- 転職後のキャリアプランは明確か?
- 入社後の年収伸びしろはあるか?
- 労働条件は満足のいくものか?
- 会社の業績・事業戦略は問題ないか?
- 会社の評判・口コミは良いか?
内定が出ればあとは転職先を決めるかどうかの判断を自身でするのみです。
不安要素を打ち消してスッキリした気分で転職を完了させましょう。
今回は以上になります。