今回は「転職活動での内定後の流れと基礎知識」を解説していきます。
この記事は、以下に当てはまる人に読んでいただきたいと思います。
- 内定が出たので、今後の流れを知りたい人
- 内定承諾後に辞退できないかを悩んでいる人
筆者は大手電気機器メーカーで管理職をしています。即戦力としての人材を中途採用する立場でもあるので、採用者視点で転職ノウハウや注意すべきポイントをお伝えしています。
この記事では、内定が出てから入社までの流れと注意すべきポイントをまとめました。
内定が出れば長かった転職活動もようやく終わりが見えてきます。最後まで気を抜かないように気をつけましょう。
内定後の流れと基礎知識
内定から入社までの流れをまとめると、下記のようになります。
- 内定通知・労働条件通知
- 内定承諾
- 現職へ退職届
- 現業の引継ぎ・有給消化
- 退職
- 入社
それでは、各プロセスごとに注意すべきポイントを解説していきます。
① 内定通知・労働条件通知
内定通知・労働条件通知の違いとは?
最終面接に合格後、企業から「内定通知書」と「労働条件通知書」が書類で送付されます。
「内定通知書」と「労働条件通知書」の違いは下記の通りです。
- 内定通知書:採用が決定したという内定の事実を通知する書面。
- 労働条件通知書:賃金、労働時間、業務内容、勤務地、休暇など労働条件を通知する書類。
「内定通知書」は言ってしまえば内定事実を書面で約束するための紙1枚です。
より具体的な労働条件は「労働条件通知書」として記載されているので、内定を承諾する前に労働条件の内容をしっかり確認しておきましょう。
労働条件を雇用者へ通知することは、労働基準法で定められています。もし労働条件を書面で通知されていなければ、企業へ問い合わせしましょう。
労働条件の確認ポイントは内定後に迷いがある人へ!内定承諾前に確認すべきこと5つの記事で紹介しているので参考にしてください。
内定通知後の年収交渉は基本的にオススメしない
内定通知から内定承諾までの期間は、条件交渉の最終的な確認の時間です。
もし内定通知でもらった賃金条件に納得がいかないのであれば、内定承諾前に交渉するのも一つの手です。
しかし、基本的には賃金条件込みで内定を出しているため大幅な年収アップは期待できず、むしろ心象が悪くなるリスクや最悪の場合は条件面の不整合で内定取り消しとなる可能性もあるのでオススメはしません。
希望年収のイメージは、面談時点である程度企業側とも整合していることが望ましいでしょう。
転職エージェント経由で応募しているのであれば、このタイミングでもう少し上乗せすることができないか、エージェント経由で企業と相談してもらうのが最も確実な手段です。必ずしも年収アップできるとは限りませんが、内定取り消しにならない程度に企業側と折り合いのつく額を交渉してもらえるでしょう。
② 内定承諾
内定はどのように成立するのか?
内定通知を受けてから、転職者がその内定を承諾すれば内定の成立です。
言った・言わないを避けるため、「内定承諾書」などの書類で取り交わしをすることが一般的です。
内定成立後の企業からの「内定取り消し」は労働契約を取り消す「解雇」に相当するため、合理的な理由なしでは認められません。
過去に、合理的な理由もなく一方的な「内定取り消し」を企業から受けたケースでは、損害賠償・慰謝料が認められた判例もあります。
もし口頭でしか内定をもらっていない場合は、証拠として残すためにも書面などの取り交わしも求めてみましょう。
内定承諾後の辞退は可能?
結論から言うと、「原則NGだが、内定承諾後の辞退は可能」です。
内定承諾後に何らかの理由があって、止むを得ず内定を辞退せざるを得ないこともあると思います。
その場合は、速やかに企業側へ非礼を詫びて内定辞退を伝えるようにしましょう。
内定承諾から時間が経てばたつほど、企業側も受け入れの準備を進めていたり、採用活動の中止をしていたりするのでダメージが大きくなります。
明らかに内定者の落ち度で内定辞退による企業側のダメージが大きい場合には、逆に損害賠償請求を受ける可能性も出てくるので注意が必要です。
内定通知が出てももし迷いがあるのであれば、内定承諾の回答まで時間をもらい、その間にしっかりと迷いを払拭できるように行動しましょう。
内定承諾までの期間は1週間以内
内定承諾までの回答期限は、内定通知から1週間以内としている企業が多いようです。
もし第一志望の企業選考が終わっていない場合など、どうしても内定承諾の回答期限を伸ばしてほしい場合は企業側へ相談してみましょう。
ただし、良くても2週間程度が限度ですので、複数選考をしている場合はスケジュール管理に注意をしましょう。
③ 現職へ退職届
退職届提出から退職までは1ヶ月以上みておく
法律上は退職の2週間前までに退職届を提出すれば退職できることになっていますが、就業規則では退職の1ヶ月前と規定している企業が多いです。
会社の就業規則で規定がある場合はそちらが優先されますので、事前に確認しておきましょう。
会社側も後任選定や引き継ぎ期間が必要になるので、内定が出たらなるべく早く会社に伝えることで円満に退社できます。
④ 現業の引継ぎ・有給消化
業務手順書や業務関係者リストを作成する
すぐに後任が決まらないこともありますが、業務手順書や業務関係者リストを整理するなど、スムーズに引継ぎできるよう準備しておきましょう。
退職する会社だからといって、まともに引継ぎをせずに辞めてしまうことはタブーです。
故意に引継ぎをせずに会社に損失を与えるようなことになれば、最悪、損害賠償請求を受ける可能性があります。
スケジュール管理をして有給休暇を消化する
有給休暇が残っている場合は、退職日までに可能な限り消化してしまいましょう。
引継ぎ期間なども考慮して、早い段階から退職日までの有給消化のスケジュールを管理しておくことが大切です。
引継ぎなどやるべきことをしていれば、有給休暇は遠慮せず取得して問題ありません。退職日の2−3週間前は有給消化に当てて、全く出社しないというのも普通です。
社会人になるとなかなか長期休暇を取るのが難しいので、この機会に普段できないことにしっかり時間を使いましょう。
⑤ 退職
会社へ返却するもの・受け取るものを確認する
健康保険証、社員証、社用PCなど、会社へ返却すべきものを人事部門に確認しておき、最終勤務日までに会社へ返却しましょう。
また、源泉徴収票など転職先の会社への提出が必要な書類も、最終勤務日までに受け取るように調整しておきましょう。
⑥ 入社
最初の3ヶ月で小さくても成果を出す
いよいよ新職場での勤務です。職場の仲間もどんな人が来たのかと興味津々でしょう。
周囲に実力を認めてもらうためにも、最初の3ヶ月で小さくても結果を出すことを心がけてみてください。
最初に結果を出すことを周囲に印象付けることができれば、その後の会社での仕事がしやすくなるでしょう。
まとめ:内定後も気を抜かずに最後の詰めをしよう!
今回は「転職活動での内定後の流れと基礎知識」を解説しました。
この記事を読んで、内定後の流れややるべきことがクリアになったでしょうか。
内定後には内定承諾前の労働条件確認や退職など大事な要素も多くあるので、最後の詰めをおろそかにしないよう行動していきましょう。
今回は以上になります。